トラベルライター土庄雄平 2025年総括

トラベルライター・土庄雄平の2025年を振り返ります。
仕事も家庭も趣味も、それぞれと丁寧に向き合いながら走り続けた一年でした。転職や働き方の変化複業の広がり育児との両立、そして旅や山の時間。挑戦の連続ではありましたが、振り返ると、来年へとつながる実りの多い一年だったと感じています。

本業|やりたいことに向けて挑戦し、結果もついてきた一年

今年は3回目の転職を経験し、ふたたび製造業のど真ん中へ。
エンタープライズ向けのカスタマーサクセスという新しい職種、そして愛知でのフルリモート勤務と、環境は大きく変わりましたが、結果として7か月間しっかり走り抜けることができました

4年半前、リクルート(じゃらんの営業)に挑戦したのも、「本業と複業を旅行業界へ統合したい」という思いがあったから。ただ、改めて自分が“どんな形でこの業界に関わりたいのか”を考えたとき、組織ではなく個人として仕事をする方がしっくりくる、という結論に至りました。そこから本業と複業を切り離す決断をしています。

今は地元・愛知県という製造業のメッカで、工場の現場教育支援に携わっています。動画マニュアルを活用した新人教育の効率化や、技術伝承・多能工化を進める伴走支援が主な役割です。自分の中では、これもひとつの「地方創生のかたち」。日々モチベーション高く取り組めています。

一定の成果は出せている一方で、「もっとこういう介在価値を出したい」「まだ伸ばせるスキルがある」という余白もはっきり見えています。やり切れなかった葛藤も含めて、今はちょうどいいストレッチがかかっている状態。来年はプロジェクトの伴走力をさらに磨き、キャリアにもう一段ブレイクを起こせる年にしたいです。

複業|今では欠かせないライフワークも、次への模索も必要

複業は、数字だけ見れば過去最高の一年でした。
これまで積み上げてきた関係性に加え、新たに専門ジャンルでの仕事が増え、7年前にトラベルライターを始めた当初は想像もしていなかった規模まで成長しています。

旅行メディアの事業責任者、白山取材、ジャンボフェリーとのタイアップ、岐阜の旅館での新プラン造成・拡販プロジェクトなど、振り返ると本当に楽しい仕事ばかりでした。何より、共感したくなる価値観や世界観を大切にしながら仕事に没頭する人たちと出会えたことは、何にも代えがたい財産です。

山の仕事も大きく広がり、検索上位に表示される山の記事を多数書けたり、山岳雑誌への寄稿も「山と溪谷」への初めて寄稿してから4倍に増えました。

一方で、今年はこれまでのお仕事に一区切りがつく年でもありました。生成AIの台頭によるメディア環境の変化もあり、来年以降は継続しない案件も出てきています。コロナ禍以来、2度目の大きな壁です。

当面は専門性の高いライティングで補いながら、次にどう打って出るかを模索する一年になりそうです。ミクロながらも「自分の事業」を背負う個人事業主として、立ち止まりつつ戦略を練り、来年も粘り強く動いていきます。

家庭|慣れと同時に、課題と向き合っていきたい一年

長男が生まれて約2年。
昨年は慣れない育児に必死でしたが、今年は育児自体には慣れてきた一方で、仕事の環境変化と重なり、なんとか両立できた一年でした。

朝の身支度や保育園の送り、終業後の遊び時間やお風呂など、ルーティンとして回せるようになったことは大きな成長。一方で、家事、特に料理や先回りの気配りは、まだまだ改善の余地ありだなと反省しています。

来年は仕事にもだいぶ順応してきたので、時間の使い方をさらに工夫しながら、もっと主体的に家庭を回していきたいところ。料理のレパートリーを増やすことと、パートナーが余裕のないときに自然と手が動くことが理想です。そして、労働集約的な働き方を少しずつ見直し、平日に子どもと遊べる時間を増やすことが目標です。

趣味|仕事と旅が交差。かけがえない時間を今年も過ごせた

プライベートでの登山や自転車旅は例年より少なめでしたが、「仕事として関われた」ことで、結果的にとても充実していました。

白山では1泊2日の取材で、白山〜別山の縦走へ。高山植物に囲まれた時間は、今でも鮮明に思い出します。小豆島ではシェアサイクルで自転車旅を。瀬戸芸会期前ながら作品鑑賞や工場見学も楽しめ、島の奥行きを改めて感じました。3年ぶりに訪れた渡合温泉では、父と水入らずの時間も。

そして何より、家族旅行を積極的にできたのが今年のハイライト。久米島、北海道(小樽・札幌)、鳥羽・志摩、日間賀島と、パートナーと息子と一緒に北海道から沖縄まで旅ができました。そして旅の軸が「宿で過ごす時間」へと変わり、人生のステージが確実に変わってきていることを実感しています。北海道旅の途中で、我が子が歩けるようになった瞬間は、今でも忘れられません。

仕事に追われるほど、プライベートや趣味に没頭できる時間の大切さを実感します。今年もそのバランスを意識しながら、しっかり楽しむことができた一年でした。これからも、毎年こうした「息抜き」を大切にしていきたいです。

【旅】39日/365日

トラベルライターたるもの、結婚して家庭を持っても、やはり旅は続けていたいと思っています。結果的に、年間日数の1割以上を旅に費やせたのは、素直にうれしいことでした。仕事も兼ねながら、山や自転車で適度に羽を伸ばし、これからは家族の記憶に残る旅をひとつずつ楽しんでいきたいです。

  • 日間賀島 1泊2日
  • 南沢山 雪山登山 日帰り
  • 久米島 3泊4日(仕事兼)
  • 浜名湖 1泊2日
  • 高松・小豆島・神戸 4泊5日(仕事兼)
  • 小樽・札幌 3泊4日
  • 奥高尾縦走登山 日帰り(仕事兼)
  • 猿投温泉 日帰り
  • 白山登山 1泊2日(仕事兼)
  • 岐阜 八百津 1泊2日
  • 名古屋 1泊2日(仕事兼)
  • 日間賀島 1泊2日
  • 金華山登山 日帰り(仕事兼)
  • 鳥羽・志摩 2泊3日
  • 大垣・岐阜のマチュピチュ 日帰り
  • 岐阜 渡合温泉 1泊2日
  • 岐阜 山神温泉 1泊2日(仕事兼)
  • 日間賀島 1泊2日

【登山】8座

登山の回数自体は控えめな一年でしたが、今年は「行く」よりも「書く」ことで山に向き合う時間が多かったように思います。念願だった奥高尾の縦走や、南竜ヶ馬場でのテント泊を拠点にした白山・別山縦走など、数は少なくとも、一つひとつが記憶に残る濃い山旅を楽しむことができました。

  • 南沢山
  • 深山
  • 高尾山
  • 景信山
  • 陣場山
  • 御前ヶ峰
  • 別山・御舎利山
  • 金華山

【宿泊】22泊/365日

家族で旅をするようになってから、宿選びの基準は大きく変わりました。アットホームな雰囲気で清潔感があり、なおかつ部屋が広く、子どもがのびのび過ごせることを重視しています。

北海道の「ふる川」は小樽と定山渓に泊まることができたので、次は白老にあるもう一軒にもぜひ足を運びたいところ。久米島で過ごした時間は、今も家族にとってかけがえのない宝物です。山神温泉では取材に我が子も同行しました。旅行バトラーの温かい対応のおかげで、家族にとって忘れられない思い出をつくることができました。

  • 人情味あふれる漁師宿 大成
  • コンフォートホテル中部国際空港
  • 島ぬ宿おかえり
  • SHINMINKA VILLA JANADO
  • ゲストハウス想生-sou-
  • グランドメルキュール浜名湖リゾート&スパ
  • ジャンボフェリー(深夜便)
  • We Base 高松
  • 旭屋旅館
  • 神戸ポートピアホテル
  • 東横イン中部国際空港1
  • 運河の宿 おたる ふる川
  • ホテルノイシュロス小樽
  • ベッセルホテルカンパーナすすきの
  • 泊り家あかね
  • リッチモンドホテル名古屋新幹線口
  • 情緒あふれる寛ぎの季の島宿 大田
  • 鳥羽国際ホテル
  • ログハウスリゾート フィオーレ伊勢志摩
  • ランプの宿 渡合温泉
  • 山神温泉 湯乃元館
  • 島灯りの宿 とく川

ということで、今年も最高の一年でした。来年もまた良い年になるよう、年末年始は穏やかに過ごしたいと思います。皆さま、どうぞ良いお年を。