6期目を終えて。トラベルライターが実践した、好きなことを活かした複業の歩み
こんにちは!トラベルライターの土庄です。旅が大好きで、それを仕事にしてもう6年が経ちました。6年という年月は短いようで、実はとても大きな意味を持つ時間でした。この間に、トラベルライターという仕事を通じて、自分のライフスタイルやキャリア、そして仕事に対する考え方が大きく変わったと感じています。
そこで今回は、私自身の実践例をもとに、旅を仕事にする魅力とやりがいについてご紹介したいと思います。これから複業で”旅”に関わっていきたいという方の参考になれば嬉しいです。
目次
大手Webメディアから始めた副業トラベルライター
まずは自己紹介から。私は2025年1月でトラベルライターとしての活動7期目を迎えます。ライターとしてのキャリアは、トラベルjp(旧LINEトラベルjp)に応募し、面接を経て採用されたことがきっかけです。
2019年には、その旅行メディアで年間230記事を執筆し、まさに修行のような日々を送りました。その後、コロナ禍に突入しましたが、会社員の副業としてライターを続けていたため、大きなピンチには至りませんでした。しかし、ライターとしての収益が厳しい時期も経験しています。
2021年には、さまざまなメディアに積極的に営業をかけ、30を超えるメディア様とご縁をいただきました。現在では、これまでの実績が評価され、公式ホームページやポートフォリオサイトを通じて、商業誌や新聞の記事執筆のご依頼もいただけるようになりました。
今では本業の片手間に行う”副業”から、本業とパラレルで行う”複業”へ成長し、本業と2足のわらじで社会人としてのキャリアを歩んでいます。
本業もメーカー営業職から国内OTAにキャリア転換
トラベルライターとして活動を始めて3年後、複業へ真剣に取り組んだことが、本業やキャリアにも大きな影響を与えました。複業を通じて得た本当にやりがいのある仕事の経験から、本業にもその充実感を求めるようになったのです。
さらに、旅行業界への思いが高まったこともあり、本業と複業の相乗効果を期待して、国内OTAの営業職へ転職を決意しました。入社当初はコロナ禍による業界の厳しい状況が続いていましたが、ホテルの集客支援に真摯に取り組むことで、貴重な経験を得ることができました。
その結果、宿泊業への知見が深まり、トラベルライターとしてのカバー範囲も拡大しました。フレックスタイムや、以前より増加した休日を有効活用して複業にコミットする環境も得られたことで、今や私のライフワークとなっているパラレルキャリアを確立できたことも大きかったです。
複数テーマを強みに!私らしいセルフブランディング
複業の8割以上を占めているのはWebメディアでの執筆です。トラベルライターとして、好きなことに特化して記事を書くことを決めています。執筆ジャンルは旅行とその周辺ですが、個人的には複数の専門領域を意識して取り組んでいます。
自転車、山、島、キャリア、グルメといったジャンルに分けてセルフブランディングを行い、その結果、多岐にわたるジャンルでユニークなお仕事をいただくことができました。
<テーマごとの活動一例>
- 【自転車】輪行旅の新聞連載、自転車旅アンバサダーの活動、E-Bikeのプロモーション事業
- 【山】山岳雑誌での執筆、旅行メディアでの山旅記事の執筆
- 【島】離島メディアでの執筆、行政案件にて企画・取材・写真撮影・記事執筆を担当
- 【グルメ】Yahoo!ニュースにて地域情報クリエイターの活動、LINE公式アカウントの運用
各ジャンルが、まるでライター業におけるひとつの部署といったように機能しています。ライターを始めた当初は、一つの領域で突き抜けるのが難しいジレンマを抱えていた時期もありますが、現在は複数の領域でオリジナリティがある記事を書けるという私らしい形に落ち着きました。
Yahoo!地域情報クリエイターからテレビのお仕事へ
Yahoo!ニュースの名古屋地域情報クリエイターとして活動するうちに、愛知の地元テレビ局からもお声がけをいただくようになり、太田光さんと石井亮二アナが出演する番組『デララバ(CBCテレビ)』に2度出演させていただきました。
名古屋めしに対する愛を自ら語りつつ、自分も知らなかった名店の魅力を掘り下げていく内容で、テレビという新しい媒体での体験は非常に楽しく、同時に地元についてより深く知る学びの場にもなりました。
現在、私はテレビ愛知の『愛知あたりまえワールド』や『工場へ行こう III AMAZING FACTORY』などの記事制作を担当しています。テレビ局が運営するオウンドメディア向けに、放送内容を記事として発信するお仕事です。
当初、複業では旅行をテーマにライティングを行ってきましたが、最近では地域情報にも焦点を当てるようになり、取り扱うテーマがより身近な方向へシフトしました。子育てと仕事の両立が鍵となるタイミングで、身近な領域での活動を広げられたのは大きかったなと振り返っています。
旅人としての原点。ジャンボフェリーとのタイアップ連載
Webメディアから専門誌、新聞、テレビ、ラジオと活動の場が広がる中で、思いがけないご縁が生まれました。それが、神戸から高松や小豆島を結ぶフェリー会社・ジャンボフェリーとのタイアップ連載企画「土庄雄平が楽しむ 新しいフェリー旅行」です。
以前TABIPPOでも紹介したことがありますが、旅人としての私、そしてトラベルライターとしての私の原点は、小豆島にあります。
そんな大好きな島の魅力を発信したいと思い、ジャンボフェリーの夜行便を利用した小豆島自転車旅を神戸新聞に寄稿したことがあるのですが、なんとその記事をみたジャンボフェリーの広報担当者の方がご連絡をくださったのです。
小豆島の魅力をどう発信するか?ジャンボフェリーさんと定期的に打ち合わせをしつつ、連載の計画を立てています。12月には名古屋から始発の新幹線を利用してジャンボフェリーの新造船あおいに乗船する取材旅も行いました。
マーケティング支援!トラベルバンmiaの旅を発信
ライターの枠を超え、自分の価値を実感できる仕事も現れてきています。その一例が、京都でキャンピングカーを手がける会社・ALFLEXでのプランナーのお仕事です。
ホンダのN-VANを改装したトラベルバン「Mia picnica」のレンタカー事業の立ち上げを目指し、ブランディングや地域の観光資源との連携、サービス内容の作り込み、そしてアドバイザー業務まで幅広く担当しました。
私はこれまで3,000記事近くにもわたる、数多くのWebコンテンツを手がけてきました。そのためライティングに一定の自信があるのはもちろんですが、知らず知らずのうちにWebでの見せ方の事例やアイデアが頭のなかに蓄積されていたのです。
また、これまで京都での仕事を通じて得た経験と、本業や複業で培ってきたマーケティングの視点を活かし、京都の観光資源と先方の強みを掛け合わせた提案を行うことができました。今まで培ってきた自分の強みを活かした提案が評価され、それが事業に反映される喜びを実感しています。
メディアとの協働自治体PJも。2025年も最高の一年に
直近も大きな案件がいくつか控えていました。なかでももっとも大きいのは、Webメディアとタッグを組み、行政の観光プロモーション事業にエントリーし、コンペティションの末に受託が決まったことです。
個人では難しいことでも、信頼関係を築いている企業とタッグを組み、仕事の幅を広げられたのは大きいですし、何より取材先がとても大好きな場所なので、その場所の観光活性化に貢献できることをとても嬉しく感じています。
また、別でお世話になっている自治体のプロモーション案件でもご指名をいただいたり、沖縄離島への赤ちゃん連れの取材旅行などの話も進んでおり、公私ともに旅にどっぷり浸かれる1年になりそうです。
いつもかけがえのないもの。旅で自らのキャリアを築く
大学卒業後の2〜3年間はキャリアに悩み、辛い時期もありましたが、トラベルライターという複業を始めたことで、今の自分の幸せがあると心から実感しています。
全力で取り組んだ仕事が評価され、ご縁が続き、さらに広がっていく。この経験こそがフリーランスの醍醐味だと思います。会社員とフリーランスの双方の良さを知っているので、これからもパラレルキャリアを歩んでいきますが、複業は自分にとって生きる意味となるほど大切な存在です。
好きな旅を通じて、自分のできることから始めていけば、キャリアにはこんな可能性があるよ!そんな気づきの一助となれば幸いです。